【素材に書かないもの】 ・お客さまの名前・勤め先・連絡先 ・社員のフルネーム(投稿に出すと決めた人を除く) ・発売前の商品名・型番・発売日 ・社内の売上や前年比などの数字 ・公表していない取引先の名前 ・社内の企画書や会議の資料(公開してよいページだけを書き出したものは渡してよい) 【迷ったら】 ・書かずに案を作り、案を直すときに人が書き足す
機密情報
生成AIでSNS投稿を作るときに機密情報・個人情報を入れない運用
要点
ChatGPTなどの生成AIに渡したメモや資料、写真は、AIを提供する事業者に送られます。SNS投稿の素材には未発表の情報やお客さまの個人情報を入れないと決め、渡す前に確かめます。Poslioは素材の中の個人情報を自動では見つけないので、送る範囲と確かめる手順は使う側で先に決めておきます。
AIに渡した情報から起きる事故
たとえば、来月の新商品の告知を作るために、社内の企画書のPDFと、売り場で撮った写真、お客さまの声のメモを生成AIに渡したとします。急いでいると、次のようなことが起きます。
- 送り先入力した内容をサービスが学習に使うかどうかを確かめないまま、無料のチャットAIに企画書を貼る
- 未発表企画書に載っていた発売前の別の商品の名前が、案の本文に入る
- 社外秘の数字企画書にある社内の売上の数字が、案に宣伝の文句として入る
- お客さまの情報メモに書いたお客さまの名前と勤め先が、案の「お客さまの声」にそのまま残る
- 写り込み写真の奥の伝票やレジの画面が、投稿に添付する候補に入っている
なぜ起きるか
生成AIは、渡された素材を材料として文を作ります。素材のメモは手早く書くので、社内の呼び名や人の名前が混ざりやすく、AIはそれも使ってよい材料として扱います。PDFや写真は、中身を1枚ずつ見ないまま渡しがちです。
個人情報保護委員会は、事業者が本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反する可能性があるとしています。そのため、入力するなら「当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること」を求めています。総務省・経済産業省のAI事業者ガイドラインも、AIを使う人に「AIシステム・サービスに機密情報等を不適切に入力することがないよう注意を払う」ことを求めています。
Poslioでの対策
Poslioは、素材の中の個人情報や社外秘の情報を自動で見つけたり消したりはしません。ここでは、AIに送る先と範囲を知り、公開の前に人が確かめる流れを作るための仕組みを6つ紹介します。仕組みごとに、何をするかと、対応する事故(上の項目)を並べます。
AIに送る情報と送り先
PoslioがAIに内容を送るのは、人が「案を作る」などを押したときと、投稿を保存したとき(AIの表現チェック)です。保存のときは、素材を使わずに1件ずつ書いた投稿の本文も送ります。送る情報は、投稿の本文、素材として渡したメモ・写真・参考資料、アカウントごとの書き方の指定と最近の投稿です。SNSのパスワードやアクセストークン、メールアドレスは送りません。
送り先は、米国のAnthropicが提供するClaude APIです。プライバシーポリシーの第4条のとおり、送った内容は同社のAIモデルの学習には使われないとされ、同社は原則として受け取ってから30日以内に削除するとしています。
- 対応する事故送り先
- 使えるプランすべてのプラン
AI機能を使わない設定
社外のAIに送れない情報を日常的に扱う会社は、チームプランの「AI機能を使わない設定」にできます。設定の「会社」タブの「AI機能」で、メンバーの管理の権限を持つ人が切り替えます。オンの間は、素材からの投稿作成・候補の生成・AIの表現チェック・プロンプトの生成を一切行わず、投稿の内容を外部のAIに送りません。
この設定は会社全体に効き、アカウントや人ごとには分けられません。オンにすると、AIで案を作って手間を減らすこともできなくなります。切り替える前に、素材に書かないものの決まりで足りないかを考えます。
- 対応する事故送り先(外に出せない情報を扱う会社)
- 使えるプランチームプラン
チェックリスト
アカウントのチェックリストに、個人情報や未発表の情報が本文と写真に無いかを確かめる項目を入れておくと、全項目にチェックするまで投稿を保存できません。
チェックリストが出るのは、AIが案を作ったあとの保存のときです。素材がAIに送られるのを止めるものではないので、公開する本文と写真に残っていないかを確かめる役目になります。
チェックリストのすべての項目にチェックすると保存できます。
- お客さまや社員の名前・連絡先が、本文に入っていない
- 発売前の商品名・日程・社内の数字が、本文に入っていない
- 未チェック:写真に伝票・名札・画面の文字が写っていない
戻って修正する保存する
1つでもチェックが無いと「保存する」は押せません。チェックした人と日時は投稿の詳細に残ります。
- 対応する事故未発表・社外秘の数字・お客さまの情報・写り込み(公開する投稿に残ったもの)
- 使えるプランすべてのプラン
NGワード
発売前の商品のコード名や、公表していない取引先の名前を、アカウントのNGワードに「修正必須」で登録しておきます。その語が本文かハッシュタグに入った投稿は、名前を消して保存し直すまで、承認・予約・公開ができません。語を含むかどうかで照合するので、書き方の違う名前はそれぞれ登録します。
この冬、K2シリーズの新しいマグカップが登場します。 詳しくは来週お知らせします。
校閲の結果
修正が必要な項目があります(1件)
- NGワードNGワード「K2」が含まれています。修正してください。
社内のコード名「K2」を修正必須で登録した例です。「K2」を消して保存し直すまで、承認・予約・今すぐ投稿はできません。素材として渡した内容は、この時点ですでにAIに送られています。
- 対応する事故未発表
- 使えるプランすべてのプラン
AIの表現チェック
保存のたびに行われるAIの表現チェックは、誇大・断定・差別的な表現などに「注意」を出し、該当箇所・理由・言い換えの案を示します。お客さまが誰か分かる書き方に注意が出ることもありますが、必ず見つかるわけではありません。注意なので、保存も予約も止めません。
名前が無くても、店の名前と時間帯と服装がそろうと誰のことか分かる場合があります。注意が出たときは、人が読んで、消すかどうかを決めます。
- 対応する事故お客さまの情報(公開する本文に残ったもの。見つかるとは限らないので人も読む)
- 使えるプランすべてのプラン(AI機能を使わない設定の間は動きません)
写真の位置情報の除去
Poslioは、写真をアップロードしたときに位置情報などのEXIFを消してから保存します。写真に写っている伝票や名札、画面の文字は消しません。人が拡大して見て、写っていれば撮り直すか、その写真を投稿に添付しないようにします。
- 対応する事故写り込み(消えるのは位置情報などのデータだけで、写っている物は人が見る)
- 使えるプランすべてのプラン
Poslioでもできないこと
Poslioは、素材のメモ・PDF・写真の中から個人情報や社外秘の情報を見つけず、送る前に止めることもしません。スタータープラン、ベーシックプランでは、AIの表現チェックのために、保存のたびに本文がAIに送られます。チームプランでも、AI機能を使わない設定がオフの間は同じです。また、AIに送った内容を、Poslioの側で取り消す機能もありません。何を素材に入れてよいかを決め、渡す前に確かめるのは人です。
投稿用の素材を渡す前に確かめること
個人情報保護委員会は、生成AIサービスを使う人に、提供する事業者の利用規約やプライバシーポリシー等を十分に確認するよう呼びかけています。Poslioを使う前にも、プライバシーポリシーの第4条(外部のAIへの送信)を一読してください。そのうえで、素材を渡すたびに次を確かめます。
- 書かないものを決める(決める人): お客さまや社員の名前・連絡先、発売前の商品・日程、社内の数字、公表していない取引先の名前を、素材に書かないものとして一覧にする
- メモを書いたら(書く人): 人の名前は「お客さま」「スタッフ」に置き換える。投稿に名前を出すなら、本人の了解を取ってから、案を直すときに人が書き足す
- PDFを渡す前(書く人): 公開してよいページだけを書き出したPDFにする。社内の企画書をそのまま渡さない
- 写真を追加する前(書く人): 奥に写っている伝票・名札・画面・書類を拡大して見る
- 入れてしまったら(書く人): 案を保存せずに外し、社内の情報の取り扱いの決まりに沿って担当者に知らせる
1人で運用するとき・チームで使うとき
1人で運用しているなら、素材に書かないものの一覧を短く決め、そのうち2〜3項目をチェックリストに入れておくのが現実的です。確かめる人がほかにいないので、素材を渡す前に一度読み返すことを習慣にします。
チームで使うなら、書かないものの一覧を全員で共有し、承認者が公開の前に本文と写真を見ます。外部のAIに送れない情報を扱う部署があるなら、チームプランの「AI機能を使わない設定」も検討します。AIの案を確かめる手順は、事実確認のページで説明しています。
そのまま使える例
素材に書かないものの一覧
作例(Poslioが作成)- ポイント
- 書いてはいけないものを、具体的な種類で並べています。「機密情報」のような大きな言葉だけだと、メモを書く人がその場で判断することになり、書いてよい範囲の判断が人によって変わります。
- 直すところ
- 業種で扱う情報(予約の名前、生徒の名前、案件の金額など)を足してください。同じ一覧をチェックリストの項目に写しておくと、保存のたびに思い出せます。
素材のメモの書き換え
作例(Poslioが作成)書き換える前: 常連の佐々木さま(○○建設にお勤め)が「毎朝ここのスコーンを買ってから出社する」と言ってくれた。新しいプレーンスコーンを来週から出す。社内の試算では月300個売れる見込み。 書き換えた後: 常連のお客さまから「毎朝ここのスコーンを買ってから出社する」という声をいただいた。新しいプレーンスコーンを来週から出す。
- ポイント
- 名前と勤め先、社内の試算を消しても、伝えたいこと(お客さまの声と新商品)は残ります。AIは消した情報を受け取らないので、案に入れることもありません。
- 直すところ
- お客さまの言葉を投稿に使うときは、使ってよいかを本人に確かめてから素材に書いてください。
参考にした資料
- 生成AIサービスへの個人データの入力(個人情報保護委員会):ppc.go.jp(PDF)(確認日:2026-10-16)
- AI利用者が機密情報を入力しないこと(AI事業者ガイドライン第1.2版):soumu.go.jp(PDF)(確認日:2026-10-16)